卒業後の進路で悩んだ話

就職活動関連が一段落したこともあって、その時の振り返りを行おうと思う。

思ったこと、考えたことをダラダラ述べるだけになりそう。

いわゆる王道とは少し逸れている状況下での意思決定であったため、「こんなことで悩んでる人がいたんだ。ふーん。」くらいに読んでもらえると幸い。

ステータス

かなり雑だが、こんな人である。サークルなどは2つ3つ参加させてもらっており、何だかんだバランス良くやらせてもらっている気がする。悪く言えばのめり込むことはできなかった、ということになるが。

 

内定先としては以下の3つ。

便宜上、上から順にA社、B社、C社と呼ぶことにする。

インターン先での選考では簡単な面接があった程度で特筆すべきことはない。A社での選考はWebテスト→技術面接→最終面接という流れ。

このご時世ということもあり全部オンラインで完結した。オフィス行ってみたかったぜ。

 

ありがたいことに3つも内々定をいただいたのだが、このうちどこに進むのかでめちゃくちゃ頭を悩ませた。

 

院進か否か

3つのうちどこに行くか以前に、院進という選択肢も実は存在した。大学4年生になったタイミングで行われた研究室配属では希望が叶わず、自分のやりたい分野をやるのは絶望的なことが判明した。

幸い(?)だったのは研究室配属が判明したのは休学する直前。インターンに行きつつも自分の好きな研究分野もしたいと思い、その分野で著名な方に連絡をとり面倒をみてもらうことになった。本当快く受け入れてもらってありがたい。5月頭に無事論文も1本出すこともできたので割と満足している。

 

このような背景があったため、自分がやりたい研究分野を更に深めるために大学院に進学するというのは普通にありうる。ありえるからこそ悩んでしまった。

悩んだと書いたが、ここについては割とすんなり決まった。よし、就職しよう。

働きながら趣味感覚で研究活動を続けても良いといった認可を得られそうというのが1つ。そして、自分がこれから先何を一番やりたいのかと考えた時に、自分の中では「新しいものを作る」というのがあった。この目標を考えたときに、大学院で学ぶ研究分野がその目標に対してより有効な選択肢かを考えると、答えはNoだった。Noと言っても、近道ではないだけというのが厳密な表現ではあるが。あとは内定先からいただいたオファーの額が新卒の個人がもらうには十分すぎるものだったのも大きい。お金貯めれば後々の選択肢を広げる資金になる。

このあたりの思考はサークルの先輩に相談にのってもらいながら構築したもの。感謝。謝謝。

 

内定先からどこを選ぶか

とりあえず大学院に進学するかどうかは決められたので、次は進路を確定させなければならない。

実は内定承諾書の期限を6月の中旬に設定していたため、そこまでには結果を出そうということにした。お願いすれば期限を延ばしてもらうことは十分に可能であったが良い意味でここを締め切りとしてそこまでには自分の中で蹴りをつけようとなった。

 

まず悩んだポイントとしては、A社でできること、B社とC社でできることの間に大きな乖離があったことがある。

3社の比較

A社は大企業だけあって人という意味でも計算機器という意味でも資源が豊富であるが、自分の職種的にプレイヤーにはなれない。あくまでコンサルタント的な立ち位置でしか案件には携われない。更にいうと自身が実装などをするわけではないので実装する力、コードを各力や実際に分析する能力といったものは職務を通じて伸ばすのは難しい。ただ、世界的に展開している企業ということもあり英語さえ使えれば世界中の社員の方と容易に繋がり、何か新しいことを始めることが可能なのは魅力的。そして新卒に対する研修も充実しているのもプラスなところ。また、ビジネス的な観点も交えて技術的なアドバイスを送ることが業務になってくることもあり技術とビジネス両方をバランス良く学べる職種でおいしい。

B社はまだまだ発展途上で未熟なところも多いところではあったが、1年間インターンをやってきたこともあり社内での信頼は比較的得られているという自負がある。またデータサイエンス職の人たちがようやくチームとして機能させていこうというフェーズに突入しているというのもあり、チームビルディングといった面でも面白いことがやれそう。実際、今年の段階で自分で勉強会を企画したり、案件の共有会を開いてもらったりと徐々に進歩は見せているところ。なかなか我の強い方々が揃っているので自分の考えた施策に対して納得してもらうことは難しいが、それなりに根拠を持って否定しているだけなのでそこを頷かせる根拠を持ってくるというのは面白そうだなと感じている。それなりの根拠を探す時間が確保できていないのが実情なので絵空事に終わってしまわないよう頑張らねばと心に決めている。さらに言うと、自分の中で「新しいものを作ること」をやりたいと考えるようになったのもB社の中で新規事業の技術担当を務めた経験が大きい。これは現在進行系で進んでいる案件であるが、技術者以外の方と密にコミュニケーションを取りながら物事を進められるというのはなかなか楽しかった。ベンチャー企業でありながら分野的に進行が遅いというもどかしさを感じながら日々業務をやらせてもらっている。現在もインターンとして働かせてもらっているが大きな不満があるわけではない。

最後にC社であるが、まず何より衝撃だったのがストックオプションの存在。不確定要素であるものの、試算結果は相当のもの。オファー内容を聞いていたとき驚きすぎてその動揺を隠すのに必死だった。C社はB社よりかは頻度が少ないながらも続けさせてもらっているところで、案件というよりかは社内の研究開発プロジェクトに携わらせてもらっている。技術に対して真摯な会社で、組織としてどううまく回していくかについてよく考えていることが伝わってくる。業績そのものも好調で、それをインターン生に対しても隠すことなく伝えているのは好印象。B社に比べると社内で何をやっているのか、何を考えてい動いているのかということがインターン生に対してもよく伝わってくる企業という感じで、これからどんなことをやろうとしているのかといった会社そのものの説明も定期的に行ってくれる。風通しが良いとはまさにこのことか、と思った。10年後とかかなり大きくなってると断言できる。一方でデメリット的な側面としては、純粋な技術の会社ではあるためビジネス側の知見が入ってきにくいというのがある。とはいえ、自分で案件を作りに行くといったこともやらせてもらえそうであったのでやりたいこととマッチしているなというのは素直に感じた。強いてもう1つ挙げるなら、技術が属人的であることくらい。ここの点は解決しようと社内で色々と行っている最中なので何年か経てばかなり改善しそうだなと思った。

 

このようにして書いていると、A社とC社の2つが候補に残ってくるかなという感じだった。会社の将来性や自分のやりたいことのマッチ度、自身が成長できそうな土壌といった側面からの判定。B社については、インターンをがっつりやらせてもらっているというのもあり、自分がフルタイムになったあとでどんなことができそうなのかということについてある程度の想像はつくため安心であった。しかし、それは裏返すと今と来年とで変化が起こらないということになってしまう。今やっている案件をしっかり見届けたいという思いもあったが、自身の成長という意味でコンフォートゾーンに入っているのは否めなかった。

社員さんへの相談

最初はA社かB社かで悩んでいたのもありA社の社員さん2人、B社の社員さん4人と1時間ほど1on1をしていただき話を聞いてもらった。A社とB社両方を経験している方も含まれていたためそこの比較もしてもらいつつ色々なことを聞けた。今回の意思決定のみならず、これから先どのような形でキャリアを形成していけばよいのか、どのように働いていけばよいのかといった観点でアドバイスをしてくださった方もおり、とても有意義であったなと感じる。さすがに1,2週間の間にこれだけ密な1on1を複数設定したので疲れたのは確かだが。

その中で記憶に残ったアドバイスで1つだけピックアップする。

これから先自分を高めていくだけではなく縁をしっかり作っていくことも大事。自分が起業したのもその縁があったから。自分が選ぶ選択肢によって形成される縁が変わってくることも重要なポイント。

原文ままではないがこのようなことを言っていた。よく聞く話ではあるが、本当に人との関わりというのは重要だなと再認識。当たり前であるが何かをする上で自分が1から100までできている必要はなく、できないところはできる人に頼めば良い。一人で無理に全部やる必要はない。

 

と少し脱線したが本題。

残る2つの候補からの選択

さあ残った2社から選ぶぞ、という感じなのであるが難しい。非常に悩む。めちゃくちゃ悩んだ。締め切り前夜は考えすぎて頭が痛くなった。

 

お金的な面だと2社間で大きな差がない。成長という意味でもベクトルが違えど期待値としては十分な気がする。そしてどちらの環境も自分が今まで身を置いてきたものとは大なり小なり異なってくるため非連続的な成長も達成できそう。

A社が持つ大企業というレッテル、肩書というのは捨てがたいものがあった。世界的に成功している企業であり、周りに対して見栄を張れてしまう。自分はそんな人間じゃないと思いたいところだが、このあたりは承認欲求的にどうしようもないので素直に認める。やはり周りから凄いと言ってもらいたいものだ。ゆくゆくはA社のxxさんではなく、「xxさん」という一個人として世の中から認めてもらいたい、認めてもらえるような人物になりたいという野望はあるが、そもそもの知名度を上げる手がかりとしてA社の名前を使うというのは有効な戦略なようにも感じた。

一方でC社については自分がやりたいことをダイレクトに行うことができる見込みがあった。自分で案件を考えて、ビジネス的背景も考慮した上で新規事業を開拓する。そして技術開発にもがっつり携わる。これらのことが可能になる。そしてベンチャーならではのスピード感も備わっている。メンバーもまだ50人足らずということもあり努力次第では一個人として存在感を出すことも不可能ではない。この存在感というのはあくまで社内限定の話であるが。社外的に存在感を出すというのはC社に入ったら自分がやりたいなと思ったことの1つ。

 

結論

はい、A社に決めました。

やれること、やれそうなことのスケールが大きいこと、グローバル企業であるため英語を使うことを厭わなければ他の国での就労も可能であること、といった点であったりとか色々挙げれば理由はつけられるが、一番大きいのは最も大きな環境の変化を生む選択肢だと考えたから。

 

 

まとめ

3社とも綺麗に比較することができず、色々と悩んだがひとまず結論を出すことができたのでホッとしている。
恐らくどの1社を選んでも他の2社に行かなかったことは後悔するだろうなと思う。後悔というより「もったいないことをしたな」と感じると表現したほうが正しい。それに当たり前であるが、どの選択肢を選んでもその選択肢を最良のものにできるのは自分次第なのだから、自分の選んだ道を走りきる覚悟はする必要がある。そこまで意識高く、モチベーション高くやり続けられるか自信はないが周りの意識高い仲間に引きずられることにする。

 

大学受験で複数合格したとしてもここまで悩むことはまず考えられず、自分の人生史上最も難易度の高い意思決定となった。

他の人の参考になるか分からないが、参考になれば幸いである。